気仙沼「オイカワデニム」は、震災から復興した、地元を愛する素晴らしい企業でした。
前回の更新からしばらく経ってしまいましたが、三陸優良企業視察ツアーの続きです。まずは、 宮城県気仙沼市にある「オイカワデニム」さんを訪問してきました。まずは東日本大震災についてのお話を聞くことができました。
オイカワデニムさんの工場・事務所は、このように海が見える少し高台にありますが、在庫をおいていた倉庫は津波に流されたそうです。
この画像で中央に見える土が広がっているところまで、津波が来たとおっしゃっていました。
その様子をカメラで撮影されていましたが、この画像が波が一番引いた時の様子です。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、中央右側に見える小島が完全にむき出しになって、手前の海の底は見え、奥の海底も見えております。これだけ引いた水が後で押し寄せてくるのは想像でできることかと思います。オイカワデニムさんは、運良くと言ったらおかしいかもしれませんが、数年前にこの高台に移転していたので、工場と事務所は無事でした。ただ、在庫を置いていた倉庫は流され、その在庫金額は2億円を超えていたとか・・・
紹介が遅れましたけど、オイカワデニムさんは、木村拓哉やBEGINが愛用している超一流デニムを作っているのです。
外見だけでなく、裏地にもこだわった素晴らしいジーンズを作られています。
ポケットにオシャレな裏地があるなんて、誰も気づきませんが、日本人ならではの粋ですね。私はここ最近、ジーンズを履くと座ったり立ったり、足を曲げたり伸ばしたりとする際に、ジーンズのゴワゴワ感と重たさが苦手となって、全く履くことがなくなっています。ストレッチ性のあるスラックスを主に履くようなり、すっかりおっさんになったと感じる次第です(汗)こんなジーンズを見ると、たまには履いてみようかなと思いますね。
及川常務さんが、震災の様子や商品について、地域について、丁寧に熱く語って頂きました。
震災後に工場を再開したのですが、ただ今までと同じような商品を作るのはではなく、地域の資源を活かしたものを作りたいと思うになったそうです。右に見えるトートバッグですが、青色のステッチは、漁師が掲げる大漁旗をアクセントに使っています。大漁旗は漁師にとっては大事なもので、大漁旗が汚れると捨ててしますそうですが、それを何かに使えないかという発想になりました。この気仙沼は漁師の方がほとんで、震災後お互い励まし合って、助け合って生きて来たこともあって、距離が近くなったとおっしゃっていました。
同様に地域の資源をもっと有効に使えないかということで、カジキマグロの鼻を利用できないかと考えたそうです。
漁師さん曰く、このカジキマグロの鼻は使い道がないので、捨てていたものだそうです。その及川常務さんは、そのカジキマグロの鼻から糸が作れないかと考え、色んな繊維屋さんを回りましたが、全然相手にされなかったかとか。
それでも糸にしてくれる協力業者さんを見つけ、実現まであと少しのようです。
思いを実現する行動力は、非常に勉強になり、自分に足らない面を感じました。
更には気仙沼はサメの産地でもあり、フカヒレが有名な地域でもあるようです。
そのサメの皮をこのバッグの一部に使用しており、更には小物が入るオレンジのネットは、漁師さんが使わなくなった網を使っています。行動力だけでなく、その発想力にも驚きですね。
このジーンズは、在庫してあった倉庫が流されたのを、見つけた人がわざわざ持って来てくれたそうです。
皮の左上が少し黒ずんで汚れているのは、震災で流れたオイルが染み込んだものだそうです。
最後には、及川常務さん、このツアーをコーディネートして頂いている船井総研の藤崎さんと記念撮影を。
震災から復興するだけでなく、震災より以上に良いものを作ろうという企業文化がよーくわかった企業訪問でした。この後にも面白い企業を訪問させてもらいましたので、このあとのブログ更新をお楽しみ下さい。もちろん、この三陸地方ならではの美味しいものを食べていますので、それらも順に紹介していきます。しばらく三陸優良企業視察ツアーのネタが続くと思いますが、お付き合い下さい。
オイカワデニムさんについては、コチラで逸話がまとめられていますので、お時間ある時にでもご覧下さい。