高知市中央卸売市場に行った時には、一八食堂で朝ご飯を食べるべし。
ちょっと時間が経ちましたが、前回に市場に行った時の話の続きです。
この時期はトマトの旬を迎え、高知県を代表する、いや日本を代表するフルーツトマトの徳谷トマトも多く出荷させていました。
徳谷トマトは高知市の徳谷地方でしか採れない特別なトマトです。非常に甘みが強く、なぜこれほど甘くなるのかは実はよく分かっていません。汽水域に位置するため土壌にミネラル分が豊富なためと言われていますが、大学の研究室で土壌を分析しても同じ味のトマトを再現することはできていません。こうしたことから、同じ徳谷地域でも畑によって味が異なってきます。
中でも生産者番号7番の徳谷トマトは、毎回高値で競りが行われています。
徳谷トマトの箱には一つずつ生産者の番号が打ってあり、誰が作ったものかが分かるようになっています。実は徳谷トマトの生産者は11人いらっしゃいますが、このことを知ったは実は最近なのです。一番上の画像では88番と生産者さんが出荷されていますので、市場に来始めた時は、「88人も生産者がいるのかー、凄いなー。」と思っていたぐらいです(笑)確かではありませんが、どうやら自分の好きな番号を選べるようですね。
まるで宝石のようなトマトです。
思わず一個ぐらいつまみ食いしてもいいんじゃない?という気持ちになりますが、怖い市場の人達にも見つかったら大変ですので、したことはありませんが。もちろん見つからなくてもやりませんよ。けど、たまにトマトは試食があってもいいんじゃないかと思いますね。フルーツトマトというぐらいですから、甘さを事前に知っておきたいものです。
競りはこのようにして行われています。
徳谷トマトの競りはテンポが早く、私みたいな初心者に近い者は、集中していないと全然違うものを競り落としていたり、1ケースでよかったものを何ケースも取ることになったり、じっくり選んでたりしていると他の人から「早う選びや!」と怒られることもあります(苦笑)この日は見学だけにしておきました。
当店も徳谷トマトを扱っておりますが、更に小玉で糖度が高く美味しいものを、その分の価値をつけて販売しようと計画しております。ちょっと遅れておりますが、もう少ししたらその商品がご紹介できると思いますので、その時期が来ましたら、またこのブログでも書きたいと思います。
市場に行くのは朝早いので、しばらくするとお腹がすくので、市場に行けば必ずと言っていいほど、「一八食堂」さんという食堂で朝食を取ります。
いつもお弁当とメニューを注文します。
普通なら定食のようなものだと思いますが、なぜお弁当と呼ばれているのかはよくわかりません。お店に来られた人にはこのように出されていますが、裏の厨房ではお弁当のようなものを作られているのを何度か見たことありますんで、お弁当の卸もされているのかもしれません。
この日はチキン竜田がメインのおかずでした。
メインの後ろに見える、ちょっとしたお惣菜が昔ながらの味で美味しいんですよ。
私が大好きなのは、この一八食堂さんのお味噌汁です。
わかめと油揚げの至ってシンプルなお味噌汁ですが、このお味噌汁のダシが私好みで、「いやー、おいしいねー」と行く度に作っているおばちゃんに言っています。この時はダシは何で取ってる?という質問をしたところ、ダシじゃことムロ節で取ってるとお答え頂きました。
ムロ節と言われて、ハンマー投げの室伏が一瞬浮かびましたが、そうではないようです(笑)
ムロ節とは?
ムロアジを節にしたものになります。ムロアジとはアジの一種で、南日本や東シナ海の沿岸などに生息しています。だしの色はごく薄いレモン色で、甘味があり、まろやか。だしも比較的よくでますが、雑節は長時間煮つめると渋味がでてくるものが多いため、関東風の辛汁用のだしには余り適さないようです。関西風のうどん用のだし汁として、他の節と組み合わせて使われることが多い。
やはり私には関西風の味つけが馴染んでいるようです。以前のように頻繁には市場に来れませんが、たまには覗きに来たいですね。一八食堂のおばちゃん達も「また来たら寄ってやー。」と暖かい言葉をかけてくれるのが嬉しいですね。高知の市場も魚の市場の方は、中央卸売市場から地方市場へとなる予定で、更に取扱高が減るのは予想できます。市場にあった食堂や喫茶店も年々閉められるお店が多いようですが、頑張って営業してもらいたいものです。
高知市中央卸売市場に行った時は、ぜひ「一八食堂」さんに寄ってみて下さい。